水銀
金属水銀
常温・常圧で液体、揮発性を有する
金鉱山で金の精錬などで多用
【体内動態】
経口で摂取しても消化管でほとんど吸収されないが、蒸気を吸入した場合薬80%が吸収
【急性毒性】
発熱・呼吸困難・頭痛・下痢・肺水腫
【慢性毒性】
神経症状
無機水銀
化学反応の触媒、顔料、農薬としての殺菌剤に使用
【体内動態】
消化管からの吸収は数%と低いが、吸収されたHg²⁺の約50%は腎臓へ蓄積
【急性・慢性毒性】
腎障害(尿細管の壊死)
メタロチオネインと結合することで毒性軽減
有機水銀
メチル水銀は水俣病の原因
【体内動態】
消化管から95%以上が吸収
血液脳関門・血液胎盤関門を通過するため脳や胎児に高い効率で移行
システインと結合することでメチオニンと似た構造になるため血液脳関門を通過すると考えられている
【急性・慢性毒性】
ハンター・ラッセル症候群
水俣病
【その他】
髪も暴露指標になる
カドミウム
米に生物濃縮されイタイイタイ病へと
【体内動態】
消化管吸収率は低い
メタロチオネインが誘導されることで解毒
【急性毒性】
咳、痰、胸痛、呼吸困難
【慢性毒性】
肺気腫
腎障害
特に近位尿細管を障害するためカルシウムの再吸収を低下させ骨軟化症を引き起こす
暴露指標としてβ₂‐ミクログロブリンが尿中に検出
鉛
無機鉛
【体内動態】
消化管の吸収率が約10%
吸入暴露の場合吸収率が約40%
【急性毒性】
小児で急性脳障害
【慢性毒性】
鉄芽球性貧血
δ‐アミノレブリン酸脱水素酵素を阻害することで発症
神経貧血
【暴露指標】
δ‐アミノレブリン酸の増加
四エチル鉛(有機鉛)
【体内動態】
脂溶性が高く脳に移行しやすい
【毒性】
中枢神経障害
ヒ素
【毒性機序】
タンパク質の‐SH基に結合することで呼吸酵素やATPaseなどを阻害するため、細胞の代謝が阻害され中毒を起こす
解毒薬としてSH基キレート剤であるジメルカプロールやd‐ペニシラミンが中毒の初期に有効である
【急性毒性】
消化器症状
呼吸困難
【慢性毒性】
皮膚の色素沈着
【毒性の強さ】
三価の無機ヒ素(亜ヒ酸) > 五価の無機ヒ素 > 五価の有機ヒ素
一般に無機ヒ素よりも有機ヒ素のほうが毒性が低い
スズ
トリブチルスズ化合物とトリフェニルスズ化合物が高い毒性を示す
【作用】
内分泌かく乱作用
巻貝の雄性化
クロム
金属クロム、三価クロム、六価クロムがある
六価クロムは酸化力が強く長期間吸入暴露で鼻中隔穿孔(鼻の左右を隔てる鼻中隔に穴が開く)を生じる
参考文献:今井浩孝 小椋康光 衛生薬学 南江堂



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